足のむくみ

足のむくみについて

足足がむくむことは日常的によく起こり、足の疲れや痛み、だるさ、足がつるなども誰もが経験する症状です。ただし、こうした症状には治療が必要な病気が隠れている場合があります。一過性のむくみでしたら適切な対応を行うことで解消できますが、慢性的に起こっている場合には心疾患などの可能性もあるため注意が必要です。むくみは血管の問題で起こっていることが多いため、まずは循環器内科の受診をおすすめします。

足がむくむ原因

足心臓から送り出された血液は全身をくまなくめぐって酸素と栄養素を供給し、二酸化炭素や老廃物の排出を行っています。足は心臓より1メートル以上下にあるため、重力に引っ張られてしまいそのままでは血液を心臓に戻すことができません。血液を心臓に戻すために、ふくらはぎの筋肉がポンプのような働きをしており、また血液が戻る静脈には弁があって逆流を防いでいます。足から心臓へ血液を戻すためには、心臓の吸い上げる力、ふくらはぎの筋肉によるポンプの力、脚の静脈にある弁が逆流を防止する力が必要なのです。この3つの働きに問題が起こり、血液が足にたまってしまうと足がむくみます。

静脈の弁が壊れることで起こるむくみ

慢性的な足のむくみは、逆流を防ぐ静脈の弁が壊れることで起こっているケースが多くなっています。弁が壊れてしまうと逆流が起こって血液が足にたまってしまい、むくみが起こります。

筋肉を動かさないことで起こるむくみ

立ったままでいる時の足の静脈には大きな圧力がかかっていますが、歩き出すとその圧力は一気に1/3程度に下がります。これを繰り返すことでポンプのような働きが生まれ、血液は心臓へ送り出されます。そのため足をあまり動かさないでいると血液がうまく戻れず、むくみやすくなります。
また、立ったままあまり動かずにいると弁に大きな負担がかかって弁が壊れやすくなります。そのため、立ち仕事をされている方は足のむくみに悩んでいる方が多いのです。

心臓の働きが低下して起こる足のむくみ

心臓の動きが低下する心不全の場合、足だけでなく下半身がいつもむくむようになります。命にかかわる状態ですから、できるだけ早く循環器内科を受診してください。また、腕など下半身以外もむくんでいる場合には腎疾患などの可能性があり、早めの受診が必要です。

皮膚の下にコブのようなものができる下肢静脈瘤

足の静脈の弁が壊れると、皮膚のすぐ下にミミズが固まったようなコブができる下肢静脈瘤を引き起こします。足の表面にある静脈は筋肉の中の深部にある静脈につながっています。つなぎ目には逆流を防止する弁があり、これが壊れると表面にある静脈に逆流して皮膚のすぐ下にある血管が膨れ上がり、コブのような盛り上がりを生じさせます。これが下肢静脈瘤です。皮膚のすぐ下に見えるコブの他に、むくみやだるさ、痛みなどが起こるようになります。血管がコブになり膨らむことで、「スカートがはけない」「温泉に行けない」などと悩まれる方もよくいらっしゃいます。
進行すると潰瘍などが繰り返しできるようになることもありますが、適切な治療で症状を解消でき、見た目も改善できます。足のむくみに気付いたら、早めに血管や心臓を専門的に診療している循環器内科を受診してください。

足のむくみの対策と治療

ウォーキング軽度のむくみであれば、足を心臓より高く上げることで解消できます。また、こまめに歩くことも有効です。ストレッチやウォーキング、散歩を日常に取り入れて足の筋肉を鍛えましょう。
また、弾性ストッキングを履くこともむくみを軽減させます。弾性ストッキングは、静脈圧が一番高い足首を最も強く圧迫し、その上は徐々に圧力を下げる設計で作られています。足の状態などにより適切な圧力が変わり、履き方が正しくないと逆効果になることもよくあります。また、適切な圧の弾性ストッキングを履くのは最初、かなり難しいのですが、下肢静脈瘤の診療を行っているクリニックであれば履きやすくするいくつかの方法をご紹介できます。また、弱い圧のものを2枚重ねて適切な圧に調整するなども可能です。むくみが続くようでしたら、1度ご相談にいらしてください。